お知らせ
LED照明の革命 家庭から工場まで
2023/09/21
近年、すっかり身近になったLED照明技術は私たちの暮らしを飛躍的に変えてきました。
今では、家庭だけでなく工場やオフィスまで幅広い用途で採用されるようになっています。
様々な場所で導入されているLEDですが、実はよく知らないという方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、LED照明にフォーカスしてその魅力に迫っていきたいと思います。
LEDとは?
そもそもLEDとは「Light Emitting Diode」の略で、中に半導体が入っている小さな電子部品です。
半導体は特定の条件下で電気を通すことができ、電気が流れると光る特性があります。これを利用したLED照明は従来の電球よりも効率的に光を生成でき、長寿命でもあるため、交換の頻度が少なくエネルギー消費も少ないことが特徴です。
LED照明の歴史
照明の歴史は紀元前に発明されたろうそくから始まり、白熱電球、蛍光灯に続く第4世代の明かりがLED照明です。
1962年に米ゼネラル・エレクトリックのニック・ホロニアック氏が開発した赤色LEDが
「LEDの起源」とされました。
当時は赤い発光しかできず、主に表示パネルなどのディスプレイとして利用されました。
その後1970年代には緑や黄色のLEDが開発されましたが、白色やフルカラーの発光をさせるためには青色LEDが必要でした。
1980年代には青色LEDの研究が行われ、そして1990年代についに青色LEDの開発が成功。その後、2000年代から現在にかけて急速な技術革新が行われました。
LED照明は質が高くIoTとの統合など、単なる照明としてだけでなく機能性と多様性を持つ製品となったことで照明業界に革命をもたらしました。
今後も技術革新は続き、LED照明の進化はまだまだ止まることを知りません。
LED照明のメリット・デメリット
LED照明は多くのメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。
LED照明のメリット
①消費電力が少ない
LED照明は従来の照明と比べると少ない電力で同じ明るさを出すことができるため、消費電力が少ない照明として重宝されています。蛍光灯と比べて約半分ほどの消費電力しか使わないため、省エネな照明と言われています。
②長寿命
LED照明は蛍光灯の約4倍、白熱灯の約40倍、長寿命であると言われています。なぜ、LED照明は長寿命なのでしょうか?
従来の蛍光灯や白熱灯と違いLED照明は半導体を使用して直接生成するため、熱が発生しにくく照明器具自体が過熱するリスクが低いため長寿命を実現することができます。
数万時間の寿命があることで交換コストもかからないため、長寿命であることが多くの場所で採用されやすくなった大きな要因の1つです。
③環境に優しい
従来使用されていた蛍光灯には水銀が含まれていたため、破損時や廃棄時の環境リスクが高いことが課題でした。一方LEDの多くは有害な物質が含まれておらず、リサイクル可能な材料で作られています。
また、長寿命でありエネルギー効率が高いことなどを総合的にみて環境に優しい照明と言われています。
④調光機能
LED照明には明るさを自在に調整することができる調光機能があります。調光機能を利用することで、必要な時に必要な量の光を使用することができ、無駄なエネルギー消費を減らすことができます。
また、使用シーンによって明るさを使い分けることができる為、点灯時間と輝度に依存する寿命をさらに延ばすことも可能です。
LED照明に調光機能があることで照明をより効率的に使用することができるようになりました。
⑤即時点灯
蛍光灯はスイッチを押してから点灯してから明るくなるまで待ち時間が発生していました。一方LED照明は即時に点灯できるという特性がある為、スイッチを入れた瞬間にすぐに点灯し、起動時のストレスがありません。また、即時点灯することであらゆる技術的進歩を遂げることができました。
例えば、センサー技術との組み合わせにより人の動きを検知して瞬時に点灯するシステムや音楽のコンサートでのダイナミックなリアルタイムのライトショーなどです。
さらに、交通信号機や街路灯にLED照明が採用されることで夜間の安全向上に貢献しています。
LED照明のデメリット
①初期コストが高い
LED照明は、従来の照明器具と比べると初期コストが高い傾向にあります。ですが、長寿命や低いエネルギー消費であることからコストパフォーマンスも悪くなく、環境にも配慮した製品であることから初期コストが高い場合でもLED照明を導入するところが増えてきています。
②輝度が高い
いくつかのLED照明は輝度が非常に高く、直視すると眩しすぎるものがあります。設計が不適切だった場合このような現象が起こり、高い輝度は目への負担を引き起こすこともあります。また、そのような製品に当たってしまった場合、ある範囲でしか輝度を調整できないことが多く、作業場やオフィスなどで問題となる可能性があります。施設におけるLED照明
①工場
工場では2011年の東日本大震災以降、LED導入が進んできました。その理由は震災後の電気料金の値上げです。広いスペースを照らす必要がある工場では従来の照明ではコストが大幅にアップしてしまうという課題を抱えていました。
縫製工場を持つ株式会社サンレデイでは、縫製機械を止めるわけには行かないためLED照明を導入しました。その結果、使用電力は約28.7%削減し、電気代は月間約9.9万円の効果を得ることができました。
②オフィス
多くのオフィスでもLED照明が導入されてきていますが、照明としての機能だけでなく一斉消灯できるシステムを使って残業時間を大幅に削減した企業もあります。株式会社タナチョーでは2024年4月の労働基準法の改正に向けて残業時間の削減が課題でした。そこで、オフィスの照明を一斉消灯できるLED照明に取り替え「暗くなったら帰る」ということを社内で周知徹底しました。
その結果、社員一人一人が消灯時間を意識するようになり、結果として効率的に業務を行えるようになりました。
このようにLED照明は照明としての機能だけでなく、LED照明の特性を生かし社内システムの1つとして導入されるケースも増えています。
③家庭用
家庭でもLED照明の普及はどんどん進んでいて、住宅展示場などのモデルハウスやショールームでもLED照明がメインとなりつつあります。また、スマートフォンやタブレット端末で制御できるIoTシステムが搭載された照明も発売されてきているため、導入するメリットもますます増えています。
ソニー株式会社では、LED電球とスピーカーが一体化した商品を発売しています。ホテルや百貨店の空間演出に使用されていましたが、最近では一般家庭に普及し、スピーカーを目立たせる事なく音楽を楽しむことができるようになっています。
まとめ
LED照明は多くのメリットを持ち合わせています。特に、日本政府が「2030年までに全ての照明器具をLEDや有機ELに転換する」と目標を掲げたことがさらに注目を集める要因の1つとなっています。この方向性に沿って多くのメーカーが蛍光灯の生産を段階的に終了させていく動きもみられます。
さらに、LED照明はIoTと親和性が高いことから、家庭用から企業用まで様々な場面で技術革新が起きることが期待されています。
今後もLED照明の最新の動向から目が離せませんね。