お知らせ
持続可能な未来の実現へ!今注目の「省エネ大賞」とは?
2024/01/16
最近の環境問題は、私たちの生活に深刻な影響を与えています。
気候変動や自然資源の枯渇などの様々な問題は地球規模で起こっていますが
実は、一人一人がエネルギーの使用方法を見直すことがとても重要です。
省エネルギーへの取り組みは持続可能な未来を実現するための鍵となります。
日本では、その取り組みを表彰する「省エネ大賞」が毎年行われ、注目を集めています。
今回はその「省エネ大賞」について詳しくご紹介していきます!
省エネ大賞とは?
省エネ大賞とは、エネルギー効率の高い技術や製品を開発する日本国内の企業・自治体・教育機関などを表彰する制度です。
この制度は一般財団法人省エネルギーセンターによって運営されており、省エネルギー技術の普及と環境保護への貢献を目指しています。
1990年から毎年開催され、省エネルギー意識の工場と持続可能な社会の実現する取り組みを奨励してきました。
2023年には例年より多い約120件の応募があり、日本における環境問題への関心の高まりを反映しています。
2023年度の応募傾向は?
2023年度の省エネ大賞にはさまざまな分野から多くの応募があり、省エネ技術やビジネスモデルの革新が窺える1年となりました。
省エネ事例部門への応募が前年比で減少した一方で製品・ビジネスモデル部門への応募が増加しました。また、電力需給問題を背景に節電などへの取り組みも増え、脱炭素関連の応募やZEB/ZEH関連製品の応募が増加傾向でした。
脱炭素関係が増加傾向の理由
近年、脱炭素関係の受賞事例が増加傾向にあります。これには、2030年までにCO2を46%削減し、2050年までに脱炭素化という目標を達成するため、省エネ法が改正されたことにより企業や地方自治体がカーボンニュートラルへの意向を急速に進めているということが大きな影響を与えています。
脱炭素社会の実現は地球温暖化の進行を抑え、持続可能な未来を築くための重要なステップです。省エネ法の改正をきっかけに、脱炭素のための技術革新やデジタル化の進化がめざましく発展してきています。
再生可能エネルギーの導入やエネルギー使用の効率化を目指した活動が増え、これらをサポートする製品やシステムやビジネスモデルが次々に開発されました。
また、近年では電力需給量問題や電気料金の高騰など、節電への取り組みを積極的に執り行わなくてはいけない課題もあります。
このような背景により、2023年度の受賞事例は脱炭素関係が増加しているといえます。
■ZEB・ZEH関連製品が増加傾向の理由
ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)とは、1年間のエネルギー消費量と再生可能エネルギーの発電量がほぼ同等であるエネルギー自己供給型の建築物のことです。一方、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)とは、住宅に特化したZEBの一種で、住宅用の建物で年間のエネルギー消費がほぼゼロに等しい状態を指しています。これらの建築物は、高度な技術と設備を活用して、エネルギー効率を最大化し、環境への負荷を最小限に抑えることを目指しています。
具体的には
・エネルギー効率の最適化
ZEB・ZEHは高度な断熱材、省エネ設備、エネルギー管理システムを備えており、建物のエネルギー効率を最大化します。これにより季節に関係なく、少ないエネルギーで快適な室温を維持することができることが特徴です。
・再生可能エネルギーの活用
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを積極的に取り入れています。
建物内で必要な電力を作り出し、余剰の電力は売電することができ、収益を生み出すこともできます。
・長期的なコスト削減
初期的なコストは必要ですが、ZEB・ZEHを導入することにより長期的にはエネルギーコストが大幅に削減されます。エネルギーコストが上昇している近年において、経済的な魅力もあり注目の製品となっています。
などがあり、社会全体で環境に対する意識が高まっていることもあり、大規模なビルのオーナーだけでなく、一般住宅のオーナーも持続可能な社会の実現のために今何ができるのかを考えた結果、ZEB・ZEHの注目の高さに繋がっています。
また、省エネ大賞への応募が技術革新と研究開発の成果を発表する場となっており、研究者や企業にとってもモチベーション向上要因の1つになっているとも言えます。
2023年度受賞事例の紹介
2023年度に経済産業大臣賞を受賞した取り組みを紹介します。
①デジタルデータを活用したエネルギーの3Rによる省エネ推進
株式会社リコー沼津事業所・リコーデジタルプロダクツBU CMC事業本部の「デジタルデータを活用したエネルギーの3Rによる省エネ推進」の取り組みが産業分野で経済産業大臣賞を受賞しました。3Rとは「リデュース(Reduce)」「リユース(Reuse)」「リサイクル(Recycle)」の3つを示し、廃棄物削減と資源効率工場を目指すための基本的なアプローチです。
リコーの沼田事業所ではリデュース(Reduce)としてエネルギー消費を削減するため、省エネルギー設備の導入やエネルギー消費のモニタリングの最適化の取り組みが行われました。
デジタルデータを活用し、建物や機器のエネルギー消費をリアルタイムで監視し、無駄を減らすための調整や、LEF照明の導入などが行われ、エネルギーの無駄を徹底的に排除しました。
さらにリユース(Reuse)では、再生可能エネルギーの発電に関するデータを活用し、再利用のための最適な方法を模索しました。
また、リサイクル(Recycle)ではエネルギーのリサイクルに注力し、不要なエネルギーを捨てずに再利用する取り組みを行いました。
余剰エネルギーを他の施設や地域に貢献することで、エネルギーを循環利用することができ、環境にも配慮し、CO2排出削減にも寄与することができました。
このような3Rアプローチにより、デジタルデータの活用を通じて省エネ推進を実現してきた点が評価され、今回の受賞につながりました。
②エレクトリックワークス社京都ビルにおけるZEB Ready化を伴う省エネ改修
パナソニック株式会社 では、京都ビルにおけるZEB Ready化を伴う省エネ改修が評価され、ZEB・ZEH分野で経済産業大臣賞を受賞しました。
ZEB Ready化とは、ビルがZEBの基準を満たすように改修されることを目指した取り組みです。
具体的には
・断熱材の強化
既存のビル構造に合わせて断熱材を追加・強化し、断熱性能を向上
・エネルギー効率の向上
照明設備のLED化をすすめ電力消費を削減
エネルギー効率の高い空調システムを導入
・再生可能エネルギーの導入
太陽光発電パネルを設置し、ビル内で電力需要の一部を太陽光から配給
・エネルギー管理システムの実装
建物内のエネルギー使用状況をリアルタイムでモニタリング
消費ピークを避け、無駄なエネルギーを現象
など、建築業界においても持続可能な社会の実現を目指すために重要なターニングポイントとなったことが評価されました。
まとめ
「持続可能な社会の実現」は世界全体の大きな課題となっています。
毎年、省エネ大賞のように企業や自治体がアイディアを出し合って、技術革新を進めていっていますが、私たち一人一人の意識改革も必要不可欠です。
省エネ大賞はその一環として、環境に対する意識を高めるきっかけとなります。
ぜひ、省エネ大賞を通じて、環境に対する興味を持っていただければ幸いです。
私たちの生活の基盤である地球環境を、ともに守り、次世代に引き繋いでいきましょう。