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製造業のカーボンニュートラル

2024/07/16


地球温暖化が進行し、気候変動による異常気象が増加する中、企業の環境に対する行動がますます重要視されています。
特に、膨大なエネルギーを消費し、大量の二酸化炭素を排出する製造業においては、持続可能な未来を築くための革新的な取り組みが求められています。

今回は、カーボンニュートラルについて、具体的な事例を交えながら、そのメリットやデメリットについてご紹介します!

製造業のカーボンニュートラルとは?


カーボンニュートラルとは、排出される二酸化炭素などの温室効果ガスの総量を、吸収量や削減量で相殺することで、実質的に排出ゼロを目指す取り組みを目指します。
近年、製造業においては、製品の製造プロセス全体を通じて排出されるCO2を削減することが重要な課題となっています。

では、企業ではどのような取り組みを行っているのでしょうか?具体例をいくつか見ていきましょう。

①トヨタ自動車の取り組み

トヨタ自動車は2035年までに全ての工場でカーボンニュートラルを達成するという大きな目標を目指し、様々な取り組みを進めています。
その中でも特に3つの施策が注目を集めています。

1.再生可能エネルギーの導入
工場におけるエネルギー源をクリーンエネルギーに転換するために、再生可能エネルギーの導入を積極的に進めています。特に、太陽光発電や風力発電の設備を増設し、これにより得られるエネルギーを工場内で使用しています。

例えば、工場の屋根に設置された太陽光発電システムで電力を供給し、これらは工場内の機械や照明に使用され、CO2排出量の大幅な削減に貢献しています。
また、風力発電も取り入れ、工場全体でクリーンエネルギーを配給する取り組みを進めています。

2.水素エネルギーの導入
トヨタでは水素技術を活用し、自社工場で水素エネルギーの利用を進めています。水素は燃焼時にCO2を排出せず、水だけを排出するため、非常なクリーンなエネルギーとして注目をあつめています。
工場では水素燃料電池を用いたフォークリフトを導入や電力の一部を水素燃料電池で賄っています。将来的には多くの工場で水素エネルギーを導入し、工場全体のエネルギー源をクリーン化することを目標としています。

3.製造プロセスの効率化
製造プロセスの効率化とデジタル技術を活用したスマートファクトリーの推進に力を入れています。
スマートファクトリーの一環として、工場内の機器や設備をIoTで接続し、リアルタイムでデータを収集・分析するシステムを構築しています。
このシステムにより、エネルギー使用状況を常時監視し、無駄なエネルギー消費を削減するための改善策を迅速に実施することができます。
また、AIを活用した生産ラインの最適化にも取り組んでいます。

これらの取り組みにより、製造プロセス全体でエネルギー効率を大幅に向上させることでCO2排出量の削減を実現しています。スマートファクトリーを推進することはカーボンニュートラルの実現に向けた重要なステップとなっています。

②富士通の取り組み
富士通では2030年までに自社のCO2排出量を実質ゼロにするという目標を掲げて、実現に向けた様々な取り組みを進めています。その中でも特に注目される3つの施策を紹介します。

1.グリーンデータセンターの運営
エネルギー効率の高いITインフラを導入し、グリーンデータセンターの運営を進めています。もともとデータセンターは膨大な量の電力を消費するため、エネルギー効率の改善が環境負荷の低減に直結します。
例えば、外気冷却システムを導入し、外部の0期を利用してサーバーの冷却を行うことで冷房用の電力消費をかなり削減することができています。
また、エネルギー使用状況をリアルタイムで監視・分析することで、効率的なエネルギー運用を実現しています。

2.再生可能エネルギーの利用
太陽光発電や風力発電などのクリーンエネルギーを利用することで、CO2排出量の削減に勤めています。データセンターの屋上に大規模な太陽光発電パネルを設置し、データセンター内の運営に使用しています。
実際に2020年には自社の電力消費の30%を再生可能エネルギーで賄うことを目標として掲げ、達成しています。

3.CO2排出量削減のための製品開発
CO2排出量削減に寄与する製品やソリューションの開発にも力を入れています。
例えば、省エネルギー型のサーバーやストレージ機器、エネルギー効率の高いネットワーク機器などの開発・提供を行っています。
さらに最近でもAIやIoT技術を活用したエネルギーマネジメントシステムを提供しています。それらの技術でビルのエネルギー管理を行い、各種センサーから得られるデータを分析し、エネルギー消費のピークシフトや無駄な消費の削減などを行っています。

カーボンニュートラルのメリット・デメリット


メリットは?
カーボンニュートラルの最大のメリットは環境保護です。製造業がCO2排出を大幅に削減することができれば、地球温暖化の信仰を抑制し、気候変動への対策に貢献することができます。近年問題になってきている、異常気象の発生頻度の減少や、生態系の保護にも寄与します。
また、カーボンニュートラルは企業の社会的責任であり、これらを積極的に推進することは消費者や投資家からの評価が向上し、環境に配慮した企業としてのイメージが強化されブランド価値の工場に繋がります。
さらに、将来的には多くの国で地域で環境規制が強化されているため、カーボンニュートラルを達成することでリスクを回避し持続可能な経営を実現することにも繋がります。

デメリットは?
カーボンニュートラルのデメリットは初期投資の負担が大きいことです。再生可能エネルギーの導入や製造プロセスの効率化には莫大な費用がかかります。このコストの負担は長期的にみるとコストダウンにつながるのですが、短期的には企業にとって大きな負担となってしまいます。特に中小企業にとって大きな障壁となり、導入が難しくなっています。

また、再生可能エネルギーは天候や季節による影響を受けやすいため、エネルギーの安定的な供給に課題を抱えています。製造業という特性上、日によって生産性を落とすわけにいかないため、蓄電技術などの多様なエネルギー源の確保が必須となってしまいます。

今後のカーボンニュートラルを取り巻く状況

今後のカーボンニュートラルは新技術の開発の導入が鍵を握ってきます。

例えば、水素エネルギーの活用やカーボンキャプチャー(CO2回収)の技術発展が期待されており、これらを多くの企業が取り入れることができれば製造業全体のエネルギー転換が進み、CO2削減を推進することができます。

また、各国政府や国際機関による政策支援も重要なポイントになります。どうしてもコストがかかってしまう再生可能エネルギーの導入にも、補助金や税制優遇措置があれば導入しやすくなります。

製造業のカーボンニュートラルを取り巻く状況は今後ますます加速していくことが予想されます。企業や政府、さらには国際社会と協力し合いながらともに持続可能な社会を実現するため取り組みを進めていく必要があります。

運営会社情報

株式会社新出光ファシリティーズ
URL:https://if.idex.co.jp/
【事業コンセプト】
「新エネルギー・省エネ・スマートエネルギー」関連事業について、
調査・計画・シミュレーション・設計・施工・メンテナンスまでの一貫したサービスを、
お客様や各種メーカー様の立場になって、責任を持って提供いたします。