お知らせ
企業のSDGs取り組み(グリーン関係)
2024/10/29
気候変動や資源の枯渇、環境汚染などの地球規模の環境問題は、現代社会において最も緊急を要する課題の一つです。
これらの問題に取り組むためには、政府や国際機関だけでなく企業の協力が必要不可欠です。
企業は製品の製造や流通、サービスの提供に伴い大量のエネルギー消費や資源の使用が不可欠です。そのため、企業が環境問題に対してどのように取り組んでいるかは、持続可能な社会を実現するために非常に重要なのです。
そこで今回は企業がどのように環境問題に取り組み、SDGsの目標達成に貢献しているのか、具体例を交えてご紹介していきます!
SDGsにおけるグリーン関係の取り組み
SDGsは2030年までに貧困の撲滅や環境保護など、持続可能な社会の実現を目指す国際的な目標です。
その中でもグリーン関係、つまり環境に関する取り組みは特に重要で「気候変動への具体的な対策」(目標13)や「陸の豊かさを守る」(目標15)、「海の豊かさを守る」(目標14)などが含まれています。
これらの目標は、気候変動による災害の増加や、資源の枯渇、生態系の破壊といった環境問題を解決することを目的としています。企業や政府、個人が協力してこれらの目標を達成するために、グリーン関係の取り組みは重要となってきており、特に企業はエネルギー消費の削減や再生可能エネルギーの利用、持続可能な製品の開発といった具体的な行動が求められています。
企業の環境への具体的な取り組み
①再生可能エネルギーの導入
企業のエネルギー供給をグリーン化するため、再生可能エネルギーの導入が進んでいます。再生可能エネルギーは風力、太陽光、水力、地熱、バイオマスなど多様なエネルギー源から得られ、化石燃料の代替として大きな注目を集めています。
例えば、風力発電は発電時にCO2を排出せず、長期的な運用が可能です。多くの企業が風力発電所の設置や、再生可能エネルギーを提供する企業からの電力購入を進めています。
また、太陽光発電もその導入コストが下がり、企業施設の屋根や空き地にパネルを設置する事例が増加しています。
これによりエネルギー自給率を高め、CO2排出を抑制するだけでなく、電力コストの削減にも貢献しています。さらに、水力発電や地熱発電を利用して、安定したクリーンエネルギー配給を実現する企業も増えています。
②環境負荷の低い製品・サービス開発
企業は、製品やサービスのライフサイクル全体で環境負荷を削減するため、環境にやさしい素材や技術の活用を進めています。例えば、従来のプラスチックに変わるバイオプラスチックの使用が拡大しており、これにより石油資源の消費を減らし、プラスチック廃棄物の削減が期待されています。
また、エネルギー効率の高い家電屋、自動車の電動化なども環境負荷軽減に寄与しています。これらの製品は、使用時のエネルギー消費を抑えることで、消費者が環境への影響を最小限に抑える選択をしやすくしています。
さらに、リサイクル可能な素材や生分解性の素材を用いることで、廃棄後の環境負荷を軽減することも重要な取り組みであり、多くの企業が製品の設計段階から使用後までを見据えて持続可能な素材の剪定や生産プロセスの最適化に取り組んでいます。
③サプライチェーンの持続可能性向上
サプライチェーン全体での持続可能性の向上は、企業の環境への影響を減らすために欠かせない取り組みです。企業は製品の製造から流通、販売に至るまでの各段階で、環境への負荷を最小限に抑えることを目指しています。
例えば、持続可能な資源調達はその一環であり、森林伐採を防ぐために認証木材を使用した製品の開発や持続可能な農業を通じて生産された原材料の使用が進められています。
また、物流を効率化するために、電気トラックの導入や輸送ルートの最適化、燃料効率の高い輸送手段の採用によりCO2排出を削減しています。
④カーボンニュートラルの推進
カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を実質的にゼロにすることを指します。
多くの企業が、2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目標に掲げ、さまざまな取り組みを進めています。カーボンニュートラルを実現するために、エネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの導入が欠かせません。
企業は自社の排出を削減しながら、カーボンオフセットを組み合わせて全体としての排出量をゼロに近づけようとしています。
⑤サーキュラーエコノミーの導入
サーキュラーエコノミーとは循環型経済のことであり、従来の「生産して消費し廃棄する」という直線型経済に変わる新しい経済モデルです。
このモデルでは、資源をできる限り再利用し、廃棄物の発生を最小限に抑えることが目指されています。
企業は製品の設計段階からリサイクルを考慮し、耐久性が高く修理可能な製品を開発するなど、資源の循環利用を進めています。
また、プラスチック廃棄物の削減も重要な課題であり、企業は使い捨てプラスチックの使用を減らす一方でバイオプラスチックやリサイクルプラスチックの使用を拡大しています。
企業のSDGsの具体例
①トヨタ自動車の水素燃料電池車
トヨタ自動車は水素燃料電池車「MIRAI」を開発し、排出ガスゼロの次世代クリーンエネルギー車両を市場に投入しています。「MIRAI」は水素と酸素を化学反応させて電力を生成し、その電力でモーターを駆動する仕組みです。
このプロセスでは走行中にCO2や有害物質を一切排出せず、排出されるのは水だけなので、従来の自動車に比べて、環境への負荷が大幅に軽減されます。
また、トヨタは水素ステーションの普及や水素社会の構築にも取り組んでおり、水素をクリーンなエネルギー源として利用する未来を見据えています。
②アップルのカーボンニュートラル目標
アップルは2030年までに全ての製品とサプライチェーンをカーボンニュートラルにするという目標を掲げています。
これは、製品の製造から使用、廃棄に至るまでの過程で発生するCO2排出量をゼロに近づけるという取り組みです。
具体的には再生可能エネルギーの導入を進め、アップルのデータセンターやオフィスを100%再生可能エネルギーで稼働させています。
また、リサイクル可能な素材を使用した製品の開発にも注力し、製品製造における環境負荷を減少させています。
例えばiPhoneやMacBookの躯体には再生アルミニウムを使用し、希少金属や素材の再利用を拡大しています。これにより資源の浪費を防ぎ、持続可能なビジネスモデルの構築を目指しています。
まとめ
企業がSDGsに基づいた環境への取り組みを進めることは、単なる社会貢献にとどまらず、企業の持続可能な成長にも直結する重要な戦略です。環境負荷の軽減や再生可能エネルギーの導入、サーキュラーエコノミーの推進などは、長期的に見ればコスト削減や競争力強化に繋がる可能性があります。
また、消費者や投資家の意識も変化しており、環境に配慮した企業が選ばれる時代が到来しています。
持続可能な未来を築くためには、環境にやさしい選択を企業が積極的に行い、グリーンエコノミーへの意向をリードしていくことが不可欠です。
次世代にとってより良い地球環境を残すために、これからの企業の活動を注視していきましょう。