お知らせ
脱炭素社会のカギ「蓄電池」
2021/12/10
政府が掲げる2050年の脱炭素社会の実現するためカギとなるのが「蓄電池」という報道がありました。
経済産業省は電池産業の国際競争力が徐々に低下しているとして、電池メーカーなどが参加する協議会を発足させ、大規模な投資や技術開発の在り方などについて議論を始めました。
そして蓄電池の国際競争力強化に向けて官民の協議会を発足させ2021年11月18日、オンラインで初めての会合を開き政府関係者に電池や原材料メーカーの担当者など30人が参加しました。
出席者からは、民間だけでは生産能力の増強はできず、国をあげた支援が必要だなどの意見が出たということです。
協議会では大規模な投資や技術開発の在り方、さらに原料となる鉱物資源の確保や対応策をまとめ、来年5月ごろに蓄電池産業の新たな戦略を取りまとめることにしています。
今後も話題となるであろう「蓄電池」を詳しく説明したいと思います。
蓄電池とは?
蓄電池を簡単に説明すると、一回限りではなく充電して何回でも使用できる電池のことです。よく使われる一般的な単三電池などは一次電池といい、放電のみで使いきりです。
対して、蓄電池は二次電池と呼ばれます。
蓄電池は、充電して電気を貯めておくことができ、必要な時に電気機器に電気を供給することができます。
かなり身近なところでは、スマートフォンのバッテリーやEVカーなどに使われています。
蓄電池の種類
●鉛電池1859年にフランスのプランテによって発明され、現在に至るまで利用されています。世界で最も古い蓄電池の一つです。
ガソリン車にも搭載されており、エンジンを起動する際に使用されています。
●ニッケル水素電池
電解液に水酸化カリウムをはじめとするアルカリ水溶液を利用した電池でハイブリッドカーのバッテリーなど使用されています。
●リチウムイオン電池
ノートパソコンや携帯電話など、モバイル機器のバッテリーに用いられる電池です。
リチウムイオン電池の量産化は1991年に日本のソニーが世界に先駆けて成功しました。
●レドックスフロー電池
イオンの酸化還元反応を用いて充放電をおこなう電池。
蓄電設備のタイプ
●単機能型蓄電池蓄電池と蓄電用パワコンで構成されるオーソドックスな設備で、太陽光発電設備の保証期間を気にせず使用できる。
●ハイブリッド型蓄電池
太陽光発電用と蓄電池用、両方のパワコンが一体になったもので発電した直流電力をそのまま貯めることができる。
●トライブリッド型蓄電池
太陽光発電用と蓄電用、さらにEV(電気自動車)用のパワコンを一体にしたトライブリットパワコンを採用
●ポータブル蓄電池
コンパクト、低価格、設置工事不要、移動できるもので太陽光発電と連携できません。
蓄電池のメリット
●蓄電池を採用すると災害時に1週間程度の非常用電源を確保できる産業用においては「BCP(事業継続計画)」対策として、非常用電源確保として蓄電池の導入は一般的になりつつあります。
BCP(事業継続計画)とは?(Business Continuity Plan)の頭文字を取った言葉で、テロや災害、システム障害など危機的状況下に置かれた場合でも、重要な業務が継続できる方策を用意し、生き延びられるようにしておくための計画のことです。
●施設を災害時の避難拠点として活用できる
規模や用途で違ってきますが、蓄電池を採用し電力を自給自足できるようになると、自然災害時の地域の避難拠点としても活用できます。
●ピークカットによる基本電気料金削減
ピークカットとは、日単位または年単位の電力需要のピークを低く抑えることです。
電力のピークカットは蓄電池システムの定番的な電気料金の削減法と言えます。
●太陽光発電との併用で節電効果大
太陽光発電とセットで蓄電池を導入することで、電気料金をかなり節約することができます。また、セットで購入すれば初期費用も抑えられます。
●電力を自給自足
規模によって違ってきますが、産業用蓄電池の場合は搭載する再エネ設備も大きいことから、オフィスビルを中心に電力を自給自足に切り替えができる期待があります。
産業用蓄電池の導入について
災害直後は道路の寸断、流通の乱れによる物資不足など孤立化の可能性があります。長時間の停電に対応できる非常時の電源確保が重要視が必要です。
病院や地方自治体、保育・介護施設・学校・避難所・道の駅など地域の防災・減災の備えが増えてきていて、企業のオフィスや、工場や倉庫、マンション・大型商用施設・酪農・畜産農家などの機能維持対策などにも導入が増えてきています。
特に蓄電池の導入は企業の省エネ対策として非常に効果的で、太陽光発電と組み合わせて、再生可能エネルギーを自社で消費する「自家消費」が可能になります。
また電力使用量の削減、災害時のBCP対策、環境負荷の低減を実現し企業価値の向上にも繋がります。
注意点として、設置スペースはある程度必要となります。
産業用の蓄電池機器には大きな熱が発生するため、排熱のための通気経路やそのための設備が必要な場合があります。
また屋外に蓄電池を設置する際、建屋などを新たに設置する場合はこれを建築物とみなし、役所に確認申請を提出する可能性も出てきます。デメリットと思われる初期費用も補助金利用などをあわせることでクリアになることもあります。
是非、ご相談ください。