お知らせ
原油高騰
2022/03/10
岸田首相は2022年3月3日夜の記者会見で「私達はロシアのウクライナ侵略という極めて深刻な事態に直面をしています」とした上で「エネルギー価格高騰による我が国経済への悪影響を少しでも減らすべく、これまで以上の省エネに取り組み、石油やガスの使用を少しでも減らす努力をしていただくことが大切です。国民の皆さん、お一人お一人のご理解とご協力をよろしくお願いいたします」と省エネへの理解と協力を国民に強く呼びかけました。
原油高騰(エネルギー価格高騰)のニュースはここ最近、報道されており、省エネに対する認識も高まるばかりです。
そもそも原油高騰とは?そしてどうやったら省エネに繋げて行けるのでしょうか?
■原油高騰(エネルギー価格高騰)とは?
知恵蔵によると、こう記載されています。2008年2月28日、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油の先物価格が1バレル=103ドルを超え、最高値を更新した。米国や中国、インドなどの旺盛な石油需要の拡大に供給能力が追いつかず、そこに投機マネーが流入していることが直接の要因とされるが、一方でピークオイル説も広がっている。ピークオイルとは、各油田の減衰が重なって世界全体の石油生産がピークを迎え、減少に転じる時点を指す。1956年に地質学者M.K.ハバートがアメリカの石油生産のピークを70年代初頭と予測したことが起源。98年に地質学者のコリン・キャンベルらが、世界全体のピークオイルを2010年前後と予測し、昨今の原油高騰で再び注目を集めた。ピーク後の石油需給ギャップは急激に拡大し、世界全体での経済的・社会的・政治的な混乱や影響が懸念される。そのため脱石油を国家目標としたスウェーデンなど、ピークオイル説をエネルギー戦略に織り込んだ国もある。他方、エコノミストや従来の石油研究者からのピークオイル説への異論は根強い。石油生産が頭打ちなのは投資不足が原因とする批判と、技術進歩の役割を過小評価しているという批判の2つが主なもの。世界の6割の埋蔵量を占めるOPEC諸国のデータの不透明性がそのベースにある。ともあれ、従来の俗説である石油枯渇論や石油無限論とは異なって、地球温暖化対策も含めた脱石油依存型社会に向けた現実的な予防措置や危機管理が必要となるだろう。
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
その原油高騰が今、起きているのです。
岸田首相の発言通り、WTI原油先物価格は2022年3月3日、一時1バレル=116ドル57セントをつけ、2008年9月以来、約13年半ぶりの高水準に達しました。
高騰している理由は大きく下記になります。
●化石燃料への投資が低迷するなかコロナ後の需要急増
●ロシアへの経済制裁で原油価格急騰
●化石燃料への投資再開のハードルが高く、世界の原油需要を抑制できない
●ロシア産原油の供給は完全停止されない。
このまま上昇し続けると、第3次オイルショックとなり世界景気がさらに悪化するリスクが高まります。
あわせて新型コロナウイルス禍の低迷から抜け出そうとしている経済全体へも追い打ちをかける結果となります。
■原油高騰が与える悪影響
原油や液化天然ガスの高騰すれば、当然ガソリンや灯油などの製品価格が急騰し、電気やガスの料金も上がります。輸入頼みの日本では、このエネルギーの価格上昇が日々の暮らしや企業の活動などに直結するのです。
原油価格の高止まりは、燃料費や光熱費を押し上げ、生産現場や物流網のコスト上昇に直結し、企業収益を圧迫を大きく悪影響を及ぼします。
もともと去年より異常に原油高騰気味で様々なものが値上げになっていました。
例えば、三菱ケミカルは、食品の包装などに使われるフィルムについて10%の値上げ・住友化学は、食品の容器などに使われるポリエチレンと自動車の部品などに使われるポリプロピレンについて、去年4回にわたって、1キログラムあたり合わせて45円以上の値上げを行いました。
今回の原油高騰が、さらなる値上げにつながる可能性があります。
■原油高騰に左右されない企業の省エネ基盤づくり
企業が実施できる省エネの取り組み内容をご紹介します。少しずつ行って実施していきましょう。
●電気
・エレベータを使用せずできるだけ階段を使用する
・OA機器のスリープモード活用
・空室・不在時のこまめな消灯
・LED照明などへの見直し
LED証明は、従来型の設備に比べて50~80%の削減につながるとされています。
●空調り組みは次の通りです。
・リモコンの設定温度を季節に合わせて決める
・省エネモードなど空調の制御機能を使用
・必要な場所にだけ空調を行う
・空調機の見直し
古い空調機は経年劣化により効率が低下しておりますので、入れ替えなどで省エネ効果が発揮する場合があります。
特に最近は、高機能換気などがついているものも多く感染症対策も可能になります。
●省エネ診断
省エネ診断により、事業所の改善項目についてしっかりと確認をすることが可能となり、今後の対策をとりやすくすることができます。
また投資ができれば下記の取り組みは、かなり有効になります。
・太陽光発電の導入
・電力の見える化の導入
・高効率の空調設備導入
・EMS、デマンドコントロールの導入
こういった設備投資がかかるものは、補助金活用などで投資を軽減できる可能性が高いです。
■補助金について
企業が使えるたくさんの補助金もあります。その一部を紹介いたします。令和4年度先進的省エネルギー投資促進支援事業費補助金
・令和4年度予算案:253.2億円
※別途令和3年度補正予算:100億円
(令和4年度概算要求350億円、令和3年度予算325億円)
(A)先進事業:経済産業省で設置した「先進的な省エネ技術等に係る技術評価委員会」での議論内容等を踏まえた先進設備に係る登録審査基準に則り、先進設備を公募の上、審査及び登録を事前に実施。登録リストに掲載されている先進設備を導入する省エネ投資事業で、一定の省エネ要件を満たす場合に、当該設備導入に係る設備費に対して、補助を行う。
(B)オーダーメイド型事業:機械設計を伴う設備(オーダーメイド型設備)を導入する省エネ投資事業で、一定の省エネ要件を満たす場合に、当該設備導入に係る設備費に対して、補助を行う。
(C)指定設備導入事業:指定設備のうち一定の省エネ性能を満たす設備を導入する場合に、当該設備導入に係る設備費の一部補助として、設備種・スペック等ごとに公募要領等で定められた定額の補助を行う。
(D)エネマネ事業:エネマネ事業者と「エネルギー管理支援サービス」を契約し、EMS を用いて、より効果的に省エネルギー化を図り、 EMS の制御効果と省エネルギー診断等による運用改善効果により、一定の省エネ要件を満たす場合に、当該設備導入に係る設計費・設備費・工事費に対して、補助を行う。
・補助対象設備:
(ユーティリティ設備)
①高効率空調
②産業ヒートポンプ
③業務用給湯器
④高性能ボイラ
⑤高効率コージェネレーション
⑥変圧器
⑦低炭素工業炉
⑧冷凍冷蔵設備
⑨産業用モータ
⑩調光制御設備
(生産設備)
①プラスチック加工機械(射出成形機)
②工作機械(レーザー加工機等)
③プレス機械
④印刷機械
⑤ダイカストマシン
・公募期間:2022年5月下旬~6月下旬(推定)
・採択決定:2022年8月下旬(推定)
・事業完了日:2023年1月31日(推定)
他にも、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金・ゼロカーボンシティ実現に向けた地域の気候変動対策基盤整備事業・地域脱炭素実現に向けた再エネの最大限導入のための計画づくり支援事業・脱炭素社会構築のための資源循環高度化設備導入促進事業など様々な補助金があります。
弊社では、省エネ補助金の申請支援も行っています。
省エネ補助金の件でご不明な点等ございましたら何なりとご連絡ください。