お知らせ
各方面の脱炭素社会実現へ取り組み
2022/05/12
2050年脱炭素を目指す動きはグローバルで急速に拡大してます。
その流れは、様々なところで活発になってきています。
今回は、その各方面の取り組み事例をご紹介します。
1.三菱重工がトラック輸送可能な超小型原発装置を開発し2030年代に商用化
IAEA(国際原子力機関)の定義によると、出力が30万kW以下の原子炉を小型原子炉と呼びます。今回発表された三菱重工の超小型原子炉は「マイクロ炉」といい、最大500kWとのことなですので、小型の中でもかなり小さいタイプです。
電気出力は従来の100万キロワット級の原子炉の2000分の1で、災害地域などでの脱炭素電源としての活用を見込むそうです。
この小型原発は地下に埋めることができ、 事故のリスクを抑えやすくなる利点もあります。
他にも二酸化炭素(CO2)回収技術も発表しています。
CO2を回収し貯留する技術である「CCS」と、さらにそれを利用する「CCUS」と呼ばれてます。
実は、この2つすでに苫小牧でおこなわれた実証試験を行っています。
経済産業省のホームページによると、実証試験により、分離・回収から圧入・貯留までの一貫システムの操業および安全性や環境管理も確認されました。各種モニタリングおよび海洋環境調査を通じて、CCSが安全かつ安心できるシステムであることが確認できました。
また、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震のときは、実証実験をおこなっている苫小牧CCSセンターでも震度5弱程度の揺れを観測しましたが、地上設備に異常はなく、CO2の漏洩を示すデータも確認されませんでした。地震発生の翌月には、地震学などの専門家を含む有識者を招いて、この地震とCCSの関係について検討会を開催。この地震によるCO2の漏洩がないこととともに、CO2を地中に貯留することとこの地震との因果関係があるとは考えられないという共通認識を得たそうです。この検討結果はJCCSのWebサイトにも掲載されています。
2.アマゾンジャパン、脱炭素の取り組みを加速
パリ協定に基づき50年までの脱炭素が世界の潮流となる中、同社は40年までに事業全体のCO₂排出実質ゼロを目指すそうです。DHL、物流倉庫(フルフィルメントセンター)の屋上にも太陽光発電システムを導入したり、クラウドコンピューティング部門であるAWSはエネルギー効率の最大化を研究。製造や物流倉庫(フルフィルメントセンター)で環境配慮の取り組みを進めている。消費者向けのアマゾンデバイスの包装材には、持続可能な森林経営を行っている森林から調達した木材の素材やリサイクル素材を利用しています。
その取組は、さらにAmazonの新オフィスまで。コンクリートの練り混ぜ時に液化二酸化炭素(CO2)を噴射して吸収させるユニークな技術を使って建設しました。
3.脱炭素化・デジタル化 の人材育成で「大学再編」の提言
高等教育の在り方を検討している、政府の「教育未来創造会議」の作業部会が開かれ、デジタル化や脱炭素化などの成長分野の人材育成に向けて、大学の再編を促すための、規制の見直しなどを盛り込んだ提言の素案が示されました。学部の設置要件となっている専任教員の数や校舎面積などの規制を見直し、再編に必要な初期投資や継続的な運営を支援。
脱炭素化社会の将来を見据えた動きは、このように教育現場までやってきています。
4.脱炭素社会形成に向けた福岡県久山町の「カーボンネガティブ」と「ネーチャーポジティブ」宣言
CO2の吸収量を増加させる対策を具体的に実施するという内容で地域の特性を生かし、農家の収入増を伴うユニークな宣言です。環境への取り組みの⼀環として、「カーボンネガティブ」、および全国初となる「ネイチャーポジティブ」に取り組んでいくことを宣⾔いたしました。
今回、経済と自然とをつなげることで、町の景観を維持するとともに、農林業の担い手の確保や人材育成に寄与する仕組みを構築することを目指し、九州大学都市研究センターと連携して取り組みます。
(詳細はこちら)
「カーボンネガティブ&ネイチャーポジティブ」宣言
5.音楽でCO2を出さないライブツアー
あのORANGE RANGEが日本で初の脱炭素LIVEツアーで全国でまわった5都市10会場のライブをカーボンオフセットで実現、つまり気候危機の抑止に向け、CO2を出さないかたちで開催しました。バンド側(ORANGE RANGE)の「CO2削減に貢献したい。再エネの選択をより多くの方々に知ってもらいたい」との想いが具現化した内容のライブツアーです。
しかもコロナウィルス対策のため、各会場の設営時に空気質調査を実施し、ライヴ中も会場内の空気質計測を継続することで状態を可視化、アーティストのみならず観客の安全性確保に務めました。
日本だけでなく、海外ではコールドプレイというアーティストが「低炭素なツアー」を発表し、観客が自家発電を行う試みなどで話題になっています。
(詳細)
全公演で100%再生可能エネルギーを使用 50%以上のCO2削減を宣言
「自然に優しいかたちで音楽聴こう」という気持ちが伝わる内容になっています。
このように、脱炭素の取り組みはあらゆる所で広がり始めています。
少しの努力が変化につながり環境につながってきます。
できることから始めていきましょう。