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【令和5年度(2023年度)版】 脱炭素に向けて使える補助金とは?
2023/05/11
2050年までに目標としている温室効果ガスの排出ゼロ。
その目標達成に向けて、脱炭素は解決すべき大きな課題です。
しかし、脱炭素に向けた事業を推進するためには多くの金銭的負担が必要です。
その負担を解消するためにも、政府や地方自治体は脱炭素に向けた事業に使える補助金を設けています。
令和5年度は、脱炭素社会の実現に向けた事業への投資を後押しするため総額1兆円を超える補助金が支給予定です。
そこで、今回は脱炭素に向けて使える補助金について解説していきます。
脱炭素に向けて使える補助金とは?
補助金の種類
補助金とは国の政策に沿った事業を行う団体や企業に対して、事業をサポートするための資金の一部として給付されるものです。また、補助金の種類は3つあります。
①直接補助事業
直接補助事業とは、補助金を受ける事業者が自ら申請をし、直接交付する事業のことです。
事業に必要な経費の一部として補助金を使うことができます。
②間接補助事業
間接補助事業とは、補助金を受ける事業者が自ら申請するのではなく、中間期間を経由して間接的に交付する事業のことです。
③委託事業
委託事業とは、補助金を交付する期間が事業者に事業の委託を行い、その業務に対して補助金を交付する事業のことです。
補助金を申請する手順
それでは、実際に補助金を申請したいと考えた時どのような手順で進めたら良いのでしょうか?
①種類と条件を確認する
まず、補助金の種類と条件を環境省のホームページより確認しましょう。
環境省のホームページには補助金の対象となる脱炭素化事業一覧が掲載されています。
掲載されている補助金は金額から事業内容まで多岐に渡っています。
その中から自分の事業はどの補助金に適しているか種類と条件を確認しましょう。
②補助金の用途を明確にし、ミスマッチを防ぐ
自分の事業に適していると思われる補助金を見つけるためにも、まずは補助金の用途を明確にしましょう。
「補助金を受ける」ことが1番の目的となってしまうと、補助金に依存した事業展開につながる可能性があります。
補助金がある前提での事業の計画では、もし補助金の廃止や減額となった場合、事業が継続できなくなるというリスクがあります。
補助金の用途を明確にし、事業を長期的スパンで考えた時にしっかりと利益を出すことができるかを冷静に判断してミスマッチを防ぎましょう。
③スケジュールを立てる
希望の補助金が見つかり次第、まずは申請までのスケジュールを立てることが重要です。
最近では、全ての企業が脱炭素に向けて取り組みを強化しています。
そのため、補助金への注目度は非常に高く、人気の補助金は締切前に予算オーバーになってしまい、募集が終了してしまうケースがあります。
また、補助金は申請してすぐに交付されるものではありません。
補助金が交付されるのは、脱炭素に向けた事業の実績を報告した後、書類審査を経てから交付されます。
そのため、実際には補助金は後払いのイメージに近く、補助金を目当てにして事業計画を立ててしまうのは危険です。
まずは、申請から補助金が支給されるまでのスケジュールをしっかりと立て、自分たちの予算範囲で事業計画を作ることが重要です。
④申請書類を作成する
補助金を申請するためには、膨大な書類を作成します。
事業計画や目標、スケジュール、経費の内訳など細かい部分まで記載する必要があります。また、気をつけなくてはいけないことは提出した書類の不備や記入漏れです。最悪の場合、審査に通らない可能性もあります。
提出の期限ギリギリのスケジュールになると、具体的な内容まで詰められていないケースや、初歩的なミスが発生することが増えてしまうため、ゆとりを持った計画を立てましょう。
⑤補助金の利用報告を行う
補助金を交付してもらうためには、実際に事業を開始し、補助金の用途や支出状況、事業の成果を報告する必要があります。
もし、利用報告を行わない場合は、法的責任を負う可能性があります。
また、補助金の利用報告は、補助金が効果的に活用されているかを確認し、将来の政策決定のための重要な情報となっています。
補助金の審査に通った場合は、忘れず利用報告を行いましょう。
令和5年度(2023年度)脱炭素に向けて使える補助金は?
令和5年度の脱炭素に向けて使える補助金も多数ありますが、その中から2つピックアップし、ご紹介します。
①集合住宅の省CO2化促進事業(経済産業省連携事業)
集合住宅の省エネ・省CO2化、高断熱化を支援するための補助金です。
主に、新築のZEH-M(ゼッチ・マンション)の断熱性・省エネ性能を上げ、太陽光発電やV2Hなどエネルギーの自給自足のための事業に使用されます。
また、既存の集合住宅のサッシや玄関ドアの断熱リフォームや省エネ住宅の課題を検討分析するための調査なども対象です。
◆事業目的(資料より引用)
①エネルギーの自給自足により災害にも強く、ヒートショック対策にもなるZEH(ゼッチ)の更なる普及、高断熱化の推進。
②現行の省エネ基準に適合しない既存住宅の断熱性能向上による原油価格高騰対策にも資する省エネ・省CO2化。
③2030年度に目指すべき住宅の姿としては、新築される住宅についてZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す。
2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減(2013年度比)に貢献することを目指す。
④2050年のカーボンニュートラル達成に向けて脱炭素社会の推進。
(資料)
②環境配慮型先進トラック・バス導入加速事業(国土交通省・経済産業省連携事業)
トラックやバスなどから排出されるCO2を減らすため、EVバス、HV(ハイブリット)トラック・バス導入支援事業や充電設備の充実などに使用されます。
また、ガソリンの代用として期待される天然ガスの導入や実証事業も対象です。
◆事業目的(資料より引用)
① 現状で高コストのHVトラック・EV/HVバス及び充電インフラへ補助を行い、普及初期の導入加速を支援。
② 将来カーボンニュートラル化の期待される天然ガス自動車への導入支援を実施し、トラック・バスの低炭素化を支援。
③ 実証用EVトラック/バスモデル実証事業を実施し、国内商用車メーカーの市場参入を支援。
(資料)
まとめ
環境省では今までの補助金を使った事業の活用事例を掲載しています。
もし、自分の事業がどのような補助金に適しているか悩んだ場合は、今までの活用事例を参考にすることがおすすめです。
補助金申請は簡単なことではありませんが、脱炭素に向けて何ができるかをしっかりと向き合って考える良いきっかけになるかもしれません。
ぜひ、私たちに何ができるかを考え、ともに脱炭素社会を実現していきましょう。
◆参考URL
環境省:令和5年度予算 及び 令和4年度補正予算 脱炭素化事業一覧
環境省:補助金申請フロー
環境省:脱炭素化事業(エネ特)活用事例集
NHK:令和5年度予算