お知らせ

お知らせ

いまさら聞けない!電力の自由化とは?

2023/10/12


 

「電力の自由化」という言葉はよく聞きますが、なんとなく「自由に電力会社を選べるシステム」という認識はあっても、具体的になぜ電力の自由化が必要となったのかを説明できる方は少ないのではないでしょうか。

そこで、今回は電力の自由化についてメリットやデメリットなど詳しく紹介していきたいと思います。


電力の自由化とは?



電気業界はここ数年で大きく変化しています。その一番の要因は「電力の自由化」です
従来、電力は各地域の大手電力会社だけが販売していました。しかし、その大手企業の独占状態を解放し、より多くの事業者が電気の小売業へ参入できるようになることを目的に2003年より電力小売自由化がスタートしました。


第一段階として大規模工場やデパート、オフィスビルなどの「特別高圧」区分から始まり、2004年4月、2005年4月には中小ビルや中小規模工場の「高圧」区分。そして、2016年4月には家庭や商店の「低圧」区分が電力会社を選べるようになり、全面的に自由化となりました。

その結果、私たちはライフスタイルや価値観、料金プランなどに合わせて、さまざまな選択肢から電力を選べるようになったのです。


これらの一連のことを「電力の自由化」と呼んでいます。

 

電力の自由化のメリット

①電力の安定供給

2011年3月の東日本大震災が発生した際に、大規模電源が被災してしまった影響で電力が不足してしまい、多くの国民が節電に協力しなければならず、計画停電なども実施され生活に大きな打撃と衝撃を与えました。

「電気は当たり前に各施設や家庭に供給されるものである」という共通認識が持たれている現代において、電力供給不足により私たちの生活インフラや経済活動が脅かされてしまうことはあってはならないことなのです。

 

今後同じような大規模災害が起きてしまった時に停電や電力供給が不足しないよう、電力の安定供給は最優先の課題となりました。

そこで、電力の自由化をすることで新規事業者が市場に参入し、複数の事業者が様々な地域で発電活動を行うことで、緊急時には電気をお互いに供給し合えることができる体制を作ることができ、供給の安定性を維持することができるのです。

 

②競争の促進

電力の販売事業はこれまで大手電力会社が独占していました。そのため、企業努力をしなくても事業が継続できるため価格競争が起こりにくくサービスの向上もあまり期待できない状況が続いていました。

 

そこで、多くの事業者が市場に参入し競争が活発化することで、顧客を確保するためにサービスの質の向上やさまざまな価格プランやサービスが提供されます。そして、消費者も多くの選択肢の中から自分のライフスタイルにあった事業者を選ぶことができるようになりました。

 

ですが、自由化で参入した事業者の電気料金が必ずしも大手の電力事業者より安くなるとは限らないので選ぶ際は注意が必要です。

 

③エネルギーの選択

電力の自由化により、顧客は自分の価値観にあった発電方法を選択することができるようになりました。

 

近年、環境問題を重要視している事業者を選択したいというニーズが高まってきているので、太陽光、風力、地熱、バイオマスなどのクリーンエネルギーに注目が集まっています。

事業者はそのニーズに答えるために、再生可能エネルギーを主体とする電力会社やサービスが増えてきています。


また、地域によっては地域資源を活用した発電を行う事業者が存在します。
地域経済発展や環境保全に寄与することができるエネルギー供給を選択することもできます。

顧客自らのライフスタイルや価値観や経済面の状況に応じて最適な電力を選択できるため、私たちが一番実感する電力自由化の大きなメリットとなっています。

 

電力の自由化のデメリット


 

①価格の逆転現象

このところ、原油価格や天然ガス価格など原材料コスト、発電設備の投資コストなど多くの要因により電力料が高騰し社会問題になっています。
この影響で、これまで安価とされてきた新規参入事業者が提供する「自由料金」が従来の大手電力会社が提供する「規制料金」より高くなる逆転現象が起きてしまいました。

 

自由料金は各事業者が各自の判断で値上げをできる一方、従来の大手電力会社は経済産業省に申請した燃料費の基準価格の1.5倍までしか高騰分を反映できません。

 

このため、「規制料金」は値上げの上限に達してしまったため値上げしたくてもできない状態になってしまいました。ですが、「自由料金」は値上げが可能なため、燃料費の高騰などを価格に転嫁することで電気料金の逆転現象が起きてしまったのです。

 

②サービスの複雑化

電力自由化は電力事業者やプランを自由に選択できることが魅力の1つですが、多くの新規事業者が参入した影響でサービスが複雑化してしまっています。

 

そのため、専門的な知識を持っていない私たち一般市民は、適切な選択をすることが難しくなっているのも事実です。

 

例えば、多くのプランの中から自分にあったプランを選ぶ際に、他事業者や他プランと比較検討する時に、それぞれの「プランの特性」「価格」「発電方法」「サービス内容」などを正確に把握する必要があります。

 

また、キャンペーンや特別プランなど一見魅力的にみえる契約でも、細かい条件や解約時の違約金などの情報を顧客がしっかりと理解していないと、後々トラブルに発展する可能性もあります。

電力自由化を進めるにあたり、顧客に十分な情報を提供し、透明性を確保する取り組みは今後の大きな課題となっています。

 

 

電力自由化のよくある質問

 


電力自由化についてよくある質問をまとめました。

 

①工事が必要?

「電力会社を切り替えた際に工事が必要になるのでは?」と思われる方がいますが、現在使用している送配電線をそのまま使用することができるので、新たな電線を引くための工事は必要ありません。
ですが、スマートメーターが必要である場合はメーターの切り替え工事がある可能性がありますので、しっかり事業者に確認することをおすすめします。

 

②電力会社が倒産したらどうなるの?

時々、ニュースなどで「新規参入の電力会社が倒産の危機に瀕している」などと耳に入ってくると不安になる方もいるかもしれません。
ですが、仮に電力会社が倒産してしまっても電気の配給がストップすることはありません。

事業者が電力の配給を停止した場合に備えて、他の事業者などが一時的に電力供給を引き継ぐバックアップ体制が義務付けられています。そのため、倒産や配給停止のリスクが高まった場合に、迅速に対応し電力の供給が安定的に行われるよう対策が取られます。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

電力自由化は電力の安定供給や自分の価値観にあった発電方法を選ぶことができるなどメリットが多い施策ですが、近年の燃料の価格高騰によりますます値上げ傾向になっていることも事実です。

ぜひ、各事業者を比較検討しご自身のライフスタイルに合ったプランを見つけてください。

運営会社情報

株式会社新出光ファシリティーズ
URL:https://if.idex.co.jp/
【事業コンセプト】
「新エネルギー・省エネ・スマートエネルギー」関連事業について、
調査・計画・シミュレーション・設計・施工・メンテナンスまでの一貫したサービスを、
お客様や各種メーカー様の立場になって、責任を持って提供いたします。