お知らせ
電気の見える化
2021/07/09
2016年に行われた電力自由化により、既存の電力会社から新しい電力会社への切替を検討する人も増えています。新電力会社へ切り替えるために必須となる「スマートメーター」により、電気の「見える化」が可能になりました。まだ一般的とはいえないこの「電気の見える化」ってどういうこと? と感じる方が多いでしょう。
「電気の見える化」とは、使用した電力がどれくらいあるか、消費電力量や電気料金はいくらかというデータをリアルタイムでチェックできるようにすることです。従来、電気料金は毎月検針が終わり、基本的には請求書を受け取ってからでないとわかりませんでしたが、このシステムを利用すると、電気料金を知りたいときに手軽にリアルタイムに確認できるようになるのです。
今現在使っている電気の使用量が、機器ごと、部屋ごと、コンセントごと、といった具合に具体的に見えるようにする事も可能になり、どこでどのような電気の使い方をしているか、もしくは無駄遣いをしているかなど細かく目に見えて分かるようになります。
一般財団法人省エネルギーセンターの調査によると、「電気の見える化」を導入することによって、約10%の省エネが可能になるという結果が出ています。導入し対策を立てることでより効果的に省エネの成果が得られることは間違いないでしょう。
ただ電力の見える化を実現するシステムは、導入するだけで節電効果が得られるものではありません。消費電力量を測定した後、どういう対策をとれば効果的に節電できるのかなどの対策が打てるところにメリットがあります。
この電気の見える化システムですが様々なシステムがありますので、代表的なシステムを紹介いたします。
■スマートメーター
スマートメーターは各家庭やオフィスの30分ごとの電気使用量を計測し、通信機能を使ってそのデータ(積算値)を電力会社のサーバーに送信する機能があります。通信には主に無線マルチホップ通信と呼ばれるものが採用されており、これはいわばバケツリレーのような形で情報を伝送していく方式となっています。
■デマンドコントローラー
電力の使用状況を常時監視し見える化できる装置です。専用端末やPCの画面を通してリアルタイムで数値を確認できます。
また、あらかじめ決めておいたデマンド値を超えそうになると警報などで通知されるため、デマンド値を押し上げている空調を消すといった対策が可能となります。
■BEMS(ベムス)
BEMSは「ビルディング・エネルギー・マネジメント・システム」の略。オフィスビルや商業ビルで使われるエネルギーを管理するシステムです。一般的なオフィスビルや商業ビルでは、BAS(ビルディング・オートメーション・システム)という中央監視システムを使って、電気の使用状況から空調、防犯・防災などの設備をすべてカバーしています。このBEMSはその中からエネルギーに特化して管理するシステムとなっており、建物内に取り付けたセンサーによって電気やガスなどのデータを収集・保存する仕組みです。政府は2030年までに、新築ビルの平均で、年間の一次エネルギー消費量がネットでゼロになるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の実現をめざていますが、このBEMSはその実現に向けた重要なシステムとして期待されています。
■FEMS
FEMS(フェムス)は「ファクトリー・エネルギー・マネジメント・システム」の略。工場全体のエネルギー使用状況を管理・分析しながら、各設備や機器をコントロールして省エネにつなげていくシステムです。
最後に家庭用でのシステムもしておきます。
■HEMS(ヘムス)
HEMSは「ホーム・エネルギー・マネジメント・サービス」の略。主に家庭で使用している電気の使用状況を専用端末やPCなどで確認できます。家庭内で使っている電気を一元管理できるため、たとえばエアコンの使用量が一目瞭然。太陽光発電設備を屋根に設置していれば、そこからどれだけ使用し、電力会社からどれだけ買っているかといったことまで分かります。さらに電化製品をシステムにつなぐことができれば、外出先からエアコンを遠隔操作するといったことも可能になる。政府は、2030年までにすべての家庭にこのHEMSを設置する目標を掲げています。
最後に、この電気の見える化導入により実現できる可能性をご紹介いたします。
■消費電力の効率化
「見える化」だけでなく、「制御」することで省エネを実現します。
■照明制御自動化
効率化にも連動しますが、照明の消費電力を確認して無駄を発見し、無理なく快適な照明制御が実施できます。「設定時刻に照明を自動でON / OFFしたい」「必要なエリアの照明を手動でON / OFFしたい」等
■高セキュリティ
設備をPCやタブレットから簡単制御し、快適な空間が可能です。さらにカスタマイズ可能でいつでも、どこからでも、タブレット端末から操作できるため、利便性が向上します。
見える化システムは、熱を発生させる機器を接続することもあり、システム内の情報セキュリティが不完全だと、機器の誤作動でやけどや怪我、さらには火災に至る可能性もあります。効率化ができるのは、とても魅力がありますが、同時にセキュリティ強化が求められます、弊社では、上記の3つの柱を大切にご提案しています。
是非、一度ご相談ください。