お知らせ

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夏季の省エネルギーの取組について

2022/07/13

6月から9月において夏季の省エネルギーの取組を促進するため、経済産業省では、省エネルギー・省資源対策推進会議省庁連絡会議で「夏季の省エネルギーの取組について」を発表しました。
この「夏季の省エネルギーの取組」ですが、毎年夏、冬と決定され発表されています。

今年の概要はどのようなものなのか?取り組みの中から紹介します。

1.発表の背景

今年は、令和4年6月10日 に決定しました。

近年、日本の最終エネルギー消費量は減少傾向にあるものの、オイルショック以降、エネルギー消費量が大幅に増加した家庭・業務部門をはじめとして、各部門それぞれ更なる省エネルギーの取組が必要だと考えられています。
それは、地球温暖化という 共通の課題、大半の化石エネルギーを海外からの輸入に依存する日本の現状、ロシアによるウクライナ侵略などの影響により、世界規模でエネルギー安定供給の不確実性が高まり、原油を始めとするエネルギーの国際価格の上昇による国内の経済活動への打撃や、3月に発生した福島県沖地震等による発電所の停止、真冬並みの寒さによる電力需要の大幅な増大、また悪天候による太陽光の出力の大幅な減少等に起因する電力需給ひっ迫など、エネルギーの安定供給を巡る課題は複雑化・深刻化してきているからです。

2021年10月22日に閣議決定された「第6次エネルギー基本計画」では「2050年カーボンニュートラル、2030 年の温室効果ガス排出削減目標の実現に向けては、 徹底した省エネルギーを進める」、「産業部門、業務部門、家庭部門、運輸部門において、技 術的にも可能で現実的な省エネルギー対策として考えられ得る限りのものをそれぞれ積み上げ、最終エネルギー消費で6,200万kl程度の省エネルギーを実現することによって、2030 年度のエネルギー需要は 280 百万 kl 程度を見込む。」とされました。
これを実現・達成するためには、国民一人一人の理解と行動変容を促進するとともに、産業界や政府、国民が一丸となって徹底した省エネルギーの取組を実施する必要があります。


この会議では従来から、エネルギーの需要が増大する夏季(6月~9月)及び冬季(11 月~ 3月)に、省エネルギーの重要性を踏まえ、取組を浸透させるため、政府自らの取組を確認するとともに、各方面に省エネルギーの取組を呼び掛けてきました。

2022年度夏季においては、政府自らが率先して取り組むとともに、これまで以上に各方面に省エネルギーの取組を呼び掛け、新型コロナウイルス感染症対策の基本的 対処方針に留意し、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を参考にしつつ、国、地方公共団体、事業者及び国民が一体となった省エネルギーの取組をより一層推進し、特に今夏以降の電力需給ひっ迫に備え、節電対応要請への対応体制の構築を含む事前の準備などに取り組むことを目指した色濃ゆい内容となっています。

 

2.具体的な対応

現在、関係府省庁が一丸となり、産業界・労働界・地方公共団体・NPO等と連携し、国民の球温暖化対策に対する理解と協力への機運の醸成や消費者行動の活性化等を通じて、省 エネルギー・脱炭素社会の構築に貢献する製品への買換え・サービスの利用・ライフスタ イルの選択など地球温暖化対策に資するあらゆる賢い選択を促す「COOL CHOIC E」を推進し、我が国を省エネルギー・脱炭素社会に転換していくための取組を展開しています。
省エネルギー・脱炭素社会への転換は、我慢を強いることではなく、無駄を省いて快適 に生活するというものであり、各分野における省エネルギー行動の変革促進を一層進めるためには、省エネルギーについて一人でも多くの人に効果的に理解してもらいたいと呼びかけています。

新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に留意し、 新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を参考にしつつ、家庭・業務 部門等に対して、省エネルギーに係る情報提供を行い、具体的な行動に結びつけていくため以下の対応を進めるような計画になっています。


・家電製品の省エネ性能カタログによる情報発信やWEBシステム「省エネ製品買換ナビゲーション『しんきゅうさん』」の活用による省エネルギー・脱炭素社会の構築に貢献する製品への買換え促進、省エネルギー月間の広報など、産業、業務、家庭、運輸の各部門において、きめ細かな情報提供及び普及啓発活動等を実施。

省エネ製品買換ナビゲーション『しんきゅうさん』

・「みんなでおうち快適化チャレンジ」キャンペーン
新築住宅のZEH化・既存 住宅の断熱リフォームと省エネ家電への買換えを促進。

・自治体の庁舎・建築物の省エネルギー改修・建替えを進め、地域の省エネルギーの先進事例として、地域全体への波及効果を含めて地域の省エネルギー化を実現する。

・各家庭のライフスタイルに合わせた省エネルギー、省CO2対策を提案し、効果的な対策に結びつける「家庭エコ診断」を引き続き実施し、更なる認知度の向上

・徹底した省エネルギーを確実に達成するため、省エネルギー・脱炭素社会の構築に貢献 する製品、サービス、ライフスタイルを選ぶ「COOL CHOICE」により、具体的な行動変容を促進し、旧式の製品等から省エネルギー・脱炭素社会の構築に貢献する 製品等への切り替えや、クールビズ実施率の向上などを進めていく。

・移動の脱炭素化を目指して、省エネに資する電気自動車(EV)、プラグイン ハイブリッド車(PHEV)または燃料電池自動車(FCV)と再生可能エネルギー電力を組み合わせた「ゼロカーボン・ドライブ(略称:ゼロドラ)」を呼びかけるとともに、 ゼロドラの実践を後押しする取組み

3.業界(関係団体、関係業界等)、地方公共団体、NPO等に対する周知及び協力要請

産業界(関係団体、関係業界等)、地方公共団体、NPO 等に対し、事業者及び家庭等に省エネルギーの呼び掛けを行うよう、協力要請も呼びかけてます。
新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針に留意し、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」の実践例を参考にしつつ、無理のない範囲で省エネル ギーに取り組むべき旨を併せて案内しています。

住宅・ビル等の省エネルギー対応
2021 年 10 月に閣議決定された、第6次エネルギー基本計画においては、2030年に目指すべき住宅・建築物の姿として、「2030年度以降新築される住宅・建築物について、ZEH・ZEB基準の水準の省エネ性能の確保を目指す」とともに、「2030 年に おいて新築戸建住宅の6割に太陽光発電設備が設置されることを目指す。」と発表されています。

・これを踏まえ、住宅・ビル等の新築、改修に当たっては、省エネと再エネを組み合わせて一次エネルギーの収支をゼロとすることを目指したZEH(ネット・ゼロ・エ ネルギー・ハウス)・ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化を進めて欲しい。

・窓(サッシ及び複層ガラス)の建材トップ ランナー制度も見直されており、新たな目標基準値として、2030年までに窓全体の熱貫流率が市場平均で 2.08[W/m2・K]となることを目指すこととされたことを踏まえ、 断熱性能の高い適切な窓を選択して欲しい。

・ZEH-M設計ガイドライン(参考URL①)や、ZEBパンフレット、Z EB設計ガイドライン(参考URL②)等を活用し、地方公共団体に対してZEH・ ZEB化の検討を積極的に働きかけて欲しい。
参考URL①
参考URL②


・エネルギー管理システム(HEMS・EMS等)の導入により、住宅の住まい方、ビルの運用方法の改善によるピーク対策 及び省エネルギーに努めて欲しい
・ビル等においては、省エネルギー診断やESCO事業等を活用し、より高効率な設 備・機器の導入や適切な運転方法への見直し等により、省エネルギー化を進めるて☆

・家庭用エアコンディショナー、照明器具、テレビジョン受信機、家庭用電気 冷蔵庫、家庭用電気冷凍庫、温水機器(ガス、石油、電気のいずれのものも含む。以下同じ。)及び電気便座の購入に当たっては、より省エネルギー性能の高い製品を選択する観点から、小売事業者表示制度を踏まえた最新の統一省エネラベルによる多段階評価(★マーク)等の省エネルギー性能表示に留意し、省エネルギー性能の高い製品の選択に努めて欲しい。

細かく機器の効率的な使用も記載されています。

・冷蔵庫に関すること
無駄な開閉を控えるとともに、開閉は手早く行うこと。食品の傷みに注意しつつ、適切な温度設定とすること。放熱スペースの確保のため、周囲と適切な間隔を空けて設置すること。
・照明に関すること
不要な照明はこまめに消灯すること。
・テレビに関すること
部屋の明るさに合わせた適切な明るさで視聴するとともに、視聴しない時はこまめに消すこと。
・冷房に関すること
適切な室温管理(冷房の場合は室温28度目安)をすること。エアコンのフィルターは適切に清掃すること。なお、新型コロナウイルス感染症を予防するため、 換気扇や窓開放によって換気を確保すること。また、熱中症を予防するための対策等を実施すること。
・調理に関すること
ガスコンロは、炎が鍋底からはみ出さないように調節すること。炊飯器は、タイマーを上手に使うなどにより、なるべく保温時間を短くすること。
・給湯に関すること
シャワーは不必要に流したままにしないこと。入浴は間隔をあけずにし、追い焚きの回数を減らすこと。


■工場・事業場関係について
① 工場・事業場における省エネ法に基づくエネルギー管理の実施
以下に掲げる取組の推進を含め、省エネ法に基づく適切なエネルギー管理を実施すること。なお、特定事業者においては、平成 28年度から開始した「事業者クラス分け評価制度」によるSABCの評価も踏まえた取組を行うこと。
・事業者全体としての管理体制の整備、責任者の配置及び省エネ目標に関する取組方 針等の策定を通じて、省エネルギーを推進すること。
・省エネ法の「工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基 準」に基づく設備の管理標準の策定・実施など、適切なエネルギー管理を実施すること。
・第 208 回通常国会で成立した改正省エネ法の考え方に基づき、電気の需給状況が厳しい時間帯から、再エネ出力制御が行われるなど、余剰再エネ電気が発生している 時間帯への電気需要のシフトを心がけること。
また、エネルギー使用量が一定規模以上の事業者(年間エネルギー使用量 1,500kl以上の工場等設置者)となった場合には、国へエネルギー使用状況届出書の届出を行うこと。


①自主的な省エネルギーの取組の推進
一般社団法人日本経済団体連合会傘下の業種をはじめとして、2030年に向けた産 業界の地球温暖化対策の自主的取組である低炭素社会実行計画を策定している事業者にあっては、その実現に向け、工場・事業場において技術的に最高水準の省エネルギー機器・設備の導入及び設備のきめ細かな運転の管理等により、省エネルギーの取 組を徹底して推進すること。
同計画について未策定の業種に属する事業者においても、参加する業界団体等と連携して計画の早期策定に努めるとともに、策定に至るまでの間も、使用していないエリアの消灯の徹底や空調における適切な温度管理を含め、自主的・計画的に省エネル ギーの取組を徹底して推進すること。なお、新型コロナウイルス感染症を予防するた め、換気扇や窓開放によって換気を確保すること。

②需給ひっ迫に備えた節電やディマンドレスポンスへの対応について 2022 年3月の電力需給ひっ迫時に電力需給ひっ迫警報により約8割が普段と異な る取組を行い、一定の節電効果があったことも踏まえ、今夏以降の対応として、電力 需給ひっ迫の可能性をできるだけ早いタイミングで伝え、注意喚起するとともに、需給ひっ迫時には切迫度をレベル別に発出することとしており、レベルに応じた節電行動がとれるよう、節電対策の事前の策定や連絡体制の構築を推進すること。 また、小売電気事業者との経済的対価を伴うディマンドレスポンス契約が選択でき る場合にはその活用に努め、電力需給ひっ迫に備えること。

■運輸関係について

①運輸分野における省エネ法に基づくエネルギー管理の実施
旅客輸送事業者、貨物輸送事業者及び荷主においては、それぞれ省エネ法の「旅客 の輸送に係るエネルギーの使用の合理化に関する旅客輸送事業者の判断の基準」、「貨物の輸送に係るエネルギーの使用の合理化に関する貨物輸送事業者の判断の基準」及 び「貨物輸送事業者に行わせる貨物の輸送に係るエネルギーの使用の合理化に関する荷主の判断の基準」に基づく取組方針の策定など、適切なエネルギー管理を実施すること。
また、エネルギー使用量が一定規模以上の事業者(旅客輸送事業者及び貨物輸送事 業者は保有車両トラック 200台以上等、荷主は年間輸送量 3,000 万トンキロ以上)と なった場合には、旅客輸送事業者及び貨物輸送事業者は輸送能力届出書を、荷主は貨物の輸送量届出書を国へ届け出ること。

② 公共交通機関の利用促進
通勤及び業務時、並びに休暇におけるレジャー等における移動については、できる 限り鉄道、バス等の公共交通機関を利用すること。また、近距離の移動については、 徒歩や自転車での移動を図ること。 道路交通混雑の緩和のための時差通勤の促進に積極的に取り組むこと。 なお、公共交通機関の利用に当たっては、会話は控えめにし、混んでいる時間帯の 利用は避けること。

③ エネルギー消費効率のよい輸送機関の選択
自動車の購入に当たっては、政府、事業者等が提供するエネルギー消費効率に関する情報を参考として、環境性能に優れた自動車(エコカー)の導入に努めること。 とりわけ乗用車については、電動車(ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(E V)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、燃料電池自動車(FCV)。以下 同じ。)の導入を検討すること。
貨物輸送に際しては、輸配送の共同化等による積載効率の向上、鉄道や内航海運と いった大量輸送機関の積極的活用等、物流の効率化を図ること。

④ エコドライブの実践
自動車を利用する場合には、エコドライブ 10 のすすめ(自分の燃費を把握する、ふんわりアクセル、減速時は早めにアクセルを離す、ムダなアイドリングはしない、タイヤの空気圧を適正に保つ等)の実践、交通渋滞の軽減に資するシステムの利用(V
ICS及びETC2.0 サービスの活用等)等とともに、自動車の利用をできる限り控 えることにより省エネルギーに努めること。また、バイオマス燃料や合成燃料等温室 効果ガスの排出の少ない燃料の選択、使用に努めること。

4.その他

① ISO50001 の導入検討
PDCAサイクルによるエネルギー効率の継続的向上等を達成するため、エネルギ ーマネジメントシステム規格(ISO50001)の導入を検討すること。
② 省エネルギーに資する事業活動の合理化及び従業員等の意識向上
事業者等においては、事務の見直しによる残業の削減等、省エネルギーに資するよ うな事業活動の合理化に努めること。また、新型コロナウイルス感染症対策として、 在宅勤務(テレワーク)を推進すると共に、その際、照明の工夫や空調の効率化も図ること。 従業員等に対し、省エネルギーに関する知識や技能を身につけ、自ら省エネルギー を実践するための研修・シンポジウム等へ参加する機会を提供するよう努めること。
③ 地域における各機関の連携等
地域の特性を踏まえた省エネルギーの取組を推進するため、ブロック単位で設置された地域エネルギー・温暖化対策推進会議などを通じて、各地域の政府機関、地方公共団体、経済団体、消費者等との情報共有・連携を図ること。

 

このように細かい取り組みが決定されています。
個人で出来ること、企業で出来ることをしっかり意識して取り組んでいきたいですね。

運営会社情報

株式会社新出光ファシリティーズ
URL:https://if.idex.co.jp/
【事業コンセプト】
「新エネルギー・省エネ・スマートエネルギー」関連事業について、
調査・計画・シミュレーション・設計・施工・メンテナンスまでの一貫したサービスを、
お客様や各種メーカー様の立場になって、責任を持って提供いたします。